かならず実現する予定メモ帳

メモ帳に書いたことが実現する夢のようなひみつ道具、それがかならず実現する予定メモ帳です。一見するとごく普通のメモ帳にしか見えませんが、実は隠されたものすごいパワーがあるひみつ道具です。

使い方

予定メモ帳の使い方はかんたん。中を開くとシンプルなマス目が並んでいるので、実現したいことを書き込むだけでOKです。

ひみつ道具の予定メモ帳
ごく一般の手帳に見える

ドラえもん1巻「〇〇がXXと△△する」P154:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

たったこれだけで、メモ帳に書いたことが実現してしまうんです。ドラえもんのひみつ道具には、こうやって誰でもかんたんに使えるにも関わらず、世界を変えてしまいかねない恐ろしいパワーを秘めていることが少なくありません。

では実際にコミックの中で使われた例を見てみましょう。

予定メモ帳はこう使われた

まずはドラえもんが使った例。

パパが今すぐにお菓子屋でどら焼きもらってくる

予定メモ帳の使い方をのび太に見せるため、ドラえもんが書いた内容がこれです。パパは仕事中なので、こんなこと実現するわけないと言い張るのび太でしたが、本当にパパが現れ、どら焼きを置いていきました。のび太が目を丸くして驚くのも無理はありません。

ひみつ道具の予定メモ帳
非常においしそうに見えるどら焼き

ドラえもん1巻「〇〇がXXと△△する」P155:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

なんて簡単なんでしょうか。のび太が目を丸くして驚くのも無理はありません。

しずちゃんがのび太くんの家で勉強する

のび太が最初に書いた内容がこれ。なんとも小学生らしい健全な内容です。書いた直後にしずかちゃんから電話があり、さっそくのび太の家で勉強することになりました。

ドラえもんがママとテーブルの上でゴーゴーをおどる

面白半分でのび太が書いた内容がこれ。ドラえもんはこんなへんなこと、ぜったいにしないぞと怒ってしまいますが、ネズミが現れたことに驚いたドラえもんとママはテーブルの上でおどってしまったのです。

ジャイアンとスネ夫が今ここで先生にアカンベーする

砂ぼこりが目に入ったジャイアンとスネ夫が、お店のガラス窓に向かって目を開いて確認していたところ、店内から先生が現れ、アカンベーしていると勘違いされてしまいました。目を確認するのはわかりますが、舌を出す必要はなかったんじゃないかと今でも思っているんですが……。

しずちゃんがのび太に今ここでチューをする

最後にのび太が書いた内容がこれ。願望に素直ですね。キスではなくチューと書くところがミソです。万年筆のインクが飛び出して、チューっとのび太の顔にかかってオチとなりました。

世界を変えてしまいかねないひみつ道具

なんでも実現してしまう夢のようなひみつ道具ですが、使い方によっては世界を変えてしまう恐ろしい力を持っています。もし予定メモ帳が実現したとしても世間に公表されることはないでしょうし、この類の技術が実現するのも不可能です。ドラえもんの世界は子供が主人公ですので、世界征服してやろうとか犯罪に使われる様子は描かれていません。

こんなことができたらいいな、と空想の世界で楽しむ程度にお勧めするのがよさそうです。

同じく未来を操作するひみつ道具として、イマニ目玉が近い存在です。イマニ目玉が確実に実現する未来を見せるのに対し、予定メモ帳は書いた内容を確実に実現させる。どちらも確実という点が共通していますが、能動的か受動的かという点で性質が異なります。

似たようなひみつ道具が多いというのも、ドラえもんの魅力の1つです。例えばもしもボックスやあらかじめ日記、用途を限定すればお天気ボックスなんかもそうですね。機能が似たひみつ道具がたくさん登場するのも、ドラえもんの魅力の1つです。

返事先どりポストが手紙の返事を先読みするのとは対照的に、予定メモ帳は書いたことを強制的に実現させてしまいます。どちらも未来に関わる道具ですが、予定メモ帳の方がより強力な干渉力を持っているといえます。

人生やりなおし機が過去に戻って別の人生を歩める道具なのに対し、予定メモ帳は現在から未来に向けて出来事を書き換えるという方向性の違いがあります。どちらも理想の未来を手に入れるための道具として共通のゴールを持っています。

スピードどけいイマニ目玉といった時間操作系のひみつ道具と予定メモ帳の最大の違いは、時間そのものを直接操作しないという点です。未来の出来事だけを書き換えるという一点突破型の機能が、予定メモ帳を使いやすくもあり、怖くもある道具にしています。

このひみつ道具が印象に残る理由

このひみつ道具の面白さは、ただ便利なだけではなく、使った瞬間に日常の見え方が少し変わるところにあります。ドラえもんの道具は、困りごとを一発で解決してくれるように見えて、実際には使う人の性格や判断がそのまま結果に出ます。のび太が使えば楽をしたい気持ちが前に出ますし、ドラえもんが使えば助けるための道具になります。同じ道具でも、誰がどんな目的で使うかによって印象が変わるのです。

また、名前や見た目が身近であるほど、効果とのギャップが強くなります。普通ならありえないことが、手の届きそうな形の道具で実現してしまう。そこに読者が「自分ならどう使うだろう」と想像したくなる余白があります。物語の中での出番が短くても、発想がはっきりしている道具は記憶に残りやすいですね。

日常で使うなら注意したいこと

もし現実にこの道具を使えるなら、まず考えたいのは周囲への影響です。自分にとって便利でも、家族や友達、近くにいる人に迷惑がかかるなら正しい使い方とはいえません。ドラえもんのエピソードでは、最初は小さな願いから始まった使い方が、だんだん大きな騒動に広がることがよくあります。便利さに気を取られるほど、基本的な確認を忘れてしまうのです。

効果の範囲、持続時間、元に戻す方法、失敗した時の対処。これらを分からないまま使うと、どんなに魅力的な道具でも危険になります。ひみつ道具は夢をかなえるアイテムである一方、使う人に責任を求めるアイテムでもあります。そこまで含めて考えると、単なる便利グッズではなく、未来の技術との付き合い方を教えてくれる存在だといえるでしょう。

読者が想像を広げやすい道具

作中で描かれた使い方は、この道具の可能性の一部にすぎません。学校で使ったらどうなるか、家で使ったらどうなるか、旅行や災害時に役立つのか、逆にどんなトラブルが起きるのか。そう考えていくと、短い登場シーンだけでは見えなかった魅力が広がります。

ドラえもんのひみつ道具紹介の楽しさは、性能を確認するだけでなく、その先の使い道を読者自身が想像できるところにあります。この道具も、便利さ、危うさ、ユーモアが同時に詰まっているからこそ、もっと深く考えたくなる一品です。

もう一歩踏み込んで考える

この道具を本当に使うなら、最初に小さな目的から試すのがよさそうです。いきなり大きな問題を解決しようとすると、効果の予想が外れた時に被害も大きくなります。まずは安全な場所で、短い時間だけ使い、どこまで思い通りになるのかを確かめる。未来の道具であっても、慎重な試運転は欠かせません。

そして、道具に頼りすぎないことも大切です。ひみつ道具はきっかけを作ってくれますが、最後にどう行動するかは使う人しだいです。のび太が失敗してもどこか憎めないのは、道具に振り回されながらも、そこに人間らしい弱さや願いが見えるからでしょう。

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