セルフアラームは、アラームを設定する内容を頭で思い浮かべながら必要な数だけ錠剤を飲むと、指定した時間に体が勝手に反応して用事を思い出させてくれるひみつ道具です。体そのものがアラーム装置になるという、22世紀らしい発想の道具です。スマートフォンのアラームのように音を鳴らすのではなく、体の動きや感覚で知らせてくれるため、周囲への配慮が必要な場面での使用にも向いています。ただし、体が自動的に動くという特性上、タイミングと場所を選ばないという弱点も持っています。
忘れっぽいのび太の行動
しずかちゃんの家に行きたいのに仮眠をしたいのび太。約束の時間に絶対に起きるためにセルフアラームを使って無理やり体を起こすことを計画します。のび太は頻繁に居眠りをしてしまう癖があるため、絶対に起きられるセルフアラームは理想的な道具に見えました。
アラームの効果はわかったものの、途中で様々な邪魔を受けながらようやくたどり着いたしずかちゃんの家。クッキーを食べている途中にアラーム効果でオナラが出てしまい、大恥をかいてしまったのでした。用事を思い出させるために設定した体の反応が、よりによってしずかちゃんの目の前で発動してしまうというのが、このエピソードの笑いどころです。
錠剤が出てきます 出典:ドラえもんプラス6巻「セルフアラーム」P8:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
しずかちゃんの前で大恥をかくというのは、のび太が最も避けたい事態のひとつです。道具を使って完璧に準備したつもりが、その道具自身が失態を引き起こしてしまうという皮肉な展開は、ドラえもんのコメディの真骨頂です。アラームの内容として設定した行動が、最もまずいタイミングで体が実行してしまうという、セルフアラームの副作用的な危険性がよく表れています。
あなた自身がアラームに
何時間後にアラームを設定したいかに合わせて、アラームの内容を頭で思い浮かべながら必要な数だけ錠剤を飲みます。複数の予定がある場合は、それぞれの内容と時間を思い浮かべながら錠剤の数を調整します。
指定の時間になると体が勝手に反応して用事を思い出させてくれるのです。体がアラームとして機能するという仕組みは、まるで体内時計を任意にプログラムできるような感覚です。現実の体内時計は自然と目覚める時間を覚えていくものですが、セルフアラームはそれを任意の時間に強制的に設定できる、いわば人工的な体内時計といえます。
体が反応して教えてくれる 出典:ドラえもんプラス6巻「セルフアラーム」P10:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
スマートフォンのアラームとの大きな違いは、音が鳴るのではなく体そのものが動くという点です。音を出すとまずい場面でも、体の動きでアラームを知らせてくれます。ただし、体が勝手に動くということは、場所や状況を選ばないという欠点にもなります。のび太がしずかちゃんの前でオナラをしてしまったのも、体が自動的に反応するという仕組みの宿命ともいえます。
周りにバレバレなので注意
セルフアラームはあなた自身の体が反応して設定した内容を体現する効果があるため、周りから見たらアラーム内容はモロにバレてしまいます。
自分の意志に反してアラームは動く 出典:ドラえもんプラス6巻「セルフアラーム」P13:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
あまりプライベートなことは設定しないようにするのが良さそうです。
例えば〇時に△△をするという内容を設定すると、その時間になった瞬間に体がその動作を始めようとします。周囲の人からすれば、本人が突然予期しない行動を取り始めるように見えるわけで、理由を知らない人には不思議な光景です。職場や学校など人が多い場所での使用は、特に慎重に内容を選ぶ必要があります。のび太のオナラ事件が示すように、体の反応という形でアラームが発動するため、その動作が何であれ周囲に見えてしまいます。設定する内容は人前で見せられるものに限るというのが、セルフアラームの賢い使い方といえるでしょう。
普段は普通のアラーム推奨か?
日中にアラームを仕掛ける時はわざわざセルフアラームを使わずともスマホのアラーム機能などを使ったほうが効果的です。スマホのアラームなら音量も設定できますし、内容を人前でバラされることもありません。
セルフアラームが本当に効果を発揮するのは目覚まし時計としての使い方です。
体が勝手に動くことを利用し、起床したい時間にセルフアラームをセットすれば無理やり体が目覚めるのです。どれだけ深く眠っていても体が動いてしまうため、普通の目覚まし時計では起きられないのび太でも確実に起きることができます。ただし体に無理をさせることになるため、毎日の使用は避けたほうが良さそうです。
目覚まし時計として使う場合の強みは、音が鳴らないため家族を起こさずに済む点です。一人だけ早起きしたい時に最適な道具といえます。一方で、熟睡していても体が強制的に起き上がろうとするため、睡眠の質に影響する可能性もあります。深い眠りの最中に体が動き出すと、それはそれで体に負担がかかりそうではあります。それでも、普通の目覚まし時計では起きられないほど睡眠が深い人には、強制的に体を動かすセルフアラームのほうが確実に効果があります。のび太のように居眠り癖がある人には、むしろ向いた道具かもしれません。
タイマーもおすすめ
決まった時間に決まったことをやるならタイマーを使うのもおすすめです。
人間はもちろんのこと、ネコにも効果的なことは検証済みですので、予定をきっちりこなしたい人はぜひ使ってみましょう。
セルフアラームとタイマーの違いは、セルフアラームが体の内側から働きかけるのに対し、タイマーは外部からの合図という点です。どちらも時間になったら何かをするという目的は同じですが、体が自動的に動くセルフアラームのほうがより強制力が高いといえます。ただし、そのぶんタイミングを誤ると恥をかくリスクもセルフアラームのほうが高くなります。タイマーは外から鳴るだけなので無視しようと思えばできますが、セルフアラームは自分の体が動いてしまうため無視ができません。意志の弱い人が予定をこなすという目的には、セルフアラームのほうが向いているかもしれません。
セルフアラームが体現しているのは、外部のツールに頼るのではなく、自分自身をコントロールするという発想です。スマホのアラームは端末がなければ機能しませんが、セルフアラームは体に仕込んであるため端末を持ち歩く必要がありません。忘れ物が多いのび太にとっては、道具を使わずとも体が動いてくれるこの仕組みは理想的なはずでした。
同じコミックプラス6巻にはガチガチンやチリつもらせ機など、体や生活に関わる道具が複数登場します。この巻は日常生活をより便利にしようとする道具が揃っていますが、どれも使い方次第で思わぬトラブルを招くという共通点があります。セルフアラームも例外ではなく、便利な道具ほど正しい使い方を心がけることが大切だということを、のび太の失敗が教えてくれています。新聞社ごっこセットも同じ巻に収録されており、コミックプラス6巻はのび太が様々な道具を使って日常を乗り切ろうとするエピソードが続く、読み応えのある一冊です。






