コンクフード

様々な食品が半練り状態で1缶に30食分も詰め込まれている「コンクフード」は、長期旅行や緊急時の食料として重宝するひみつ道具です。未来の食べ物なので不味くて食べられないなんてことはなさそうで、コンパクトサイズに大量の食料を収められるのが最大の魅力です。

未来の非常食という位置づけ

コンクフードがドラえもんのポケットに入っていたという事実は、未来の標準的な携帯食料として広く普及していることを示しています。現代の登山家や宇宙飛行士が非常食を必ず携帯するように、未来の世界ではコンクフードが誰でも持ち歩く常識的なアイテムになっているのかもしれません。ドラえもんが「出してくれたもの」として登場するのではなく、最初から準備していたアイテムというのが、この道具の日常的な普及度を物語っています。

海底ハイキングの大切なお供

夏休みを利用し、ドラミちゃんに協力してもらい、のびたは太平洋を歩いて横断するという壮大な計画を打ち出します。もちろん生身の体ではそんなことは到底不可能なので、たくさんのひみつ道具を使いながら・・・という条件付きではありますが、コンクフードもそんな道具の1つだったのです。

1缶に30食分の食料が半練り状態になって入っている不思議な道具で、コミックの中ではのびたがストローのようなものを使ってコンクフードを食べて(飲んでいる?)様子が描かれています。

ひみつ道具のコンクフード
順調すぎるのびたの旅

ドラえもん4巻「海底ハイキング」P54:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

味はハッキリしませんが、未来の食べ物なので不味くて食べられないなんてことはなさそうです。

実現したら便利なひみつ道具

コンクフードは現代でまだ実現されていないひみつ道具ですが、非常食として開発が期待されます。のびたは海底でコンクフードを利用していましたが、現実世界においては登山や宇宙での宇宙食などで活用できそうですね。実際に昔は宇宙用のチューブ食もあったのですが、もしかしたら藤子先生はコンクフードを考えた時にそこからヒントを得てコンクフードを考えたのかもしれませんね。半練り状のためのどにつまらせる恐れもなく、将来は介護現場でも役立ちそうです。

バリエーション豊富

コンクフードは単純に食べ物が練り物状になっているわけではありません。ハンバーグやスープなど、ちゃんと食品別に缶が別れているので、ある程度の味の好みには対応しているようです。

問題は食感か?

コンクフードで弱点をあげるとすれば、やはり口に含んだ時の食感ではないでしょうか?半練り状で、かつストローで吸っている様子を見ると、どろりとしたスムージーみたいな食感だと想像できますよね。ハンバーグやご飯が半練り状というのは、正直そこまでおいしそうには思えません。とはいうものの、未来の世界には、例え半練り状だったとしても、口に含むと食材本来の食感を再現するような特殊な調理法が開発されているのかもしれません。そうであれば、のびたが笑顔でコンクフードを食べているのも納得できますね。

コンクフードに似たひみつ道具

食べ物を扱うひみつ道具はたくさんありますが、非常食という観点では大長編「のびたとアニマル惑星」に登場する「圧縮非常食三十食ぶん詰め合わせ(探索ごっこセットのひとつ)」が該当します。コンパクトサイズで約2週間分の食料を確保できるのは、やはり画期的ですね。ただし、自由に食べ物を出現させる「グルメテーブルかけ」を1つ持っていれば食糧問題も解決しそうなものですが、そこはあえてツッコまないようにしておきます。

現代の非常食

災害時・緊急時に備え、現代でも非常食として使えるものはたくさんあります。例えばカロリーメイト。

お手軽にカロリー摂取できることで知られる食料品ですが、おやつ感覚で食べる人もいます。次にウィダーinゼリー。

こちらも時間がない朝などに重宝される食べ物。代表的なものはやっぱり乾パンでしょうか。

同じように缶入りの食材でいえば、調理パンなんかも非常食として登場しています。

さすがにどれもコンクフードのように30食分を圧縮することはできませんが、持っていれば安心感がありますよね。

食料・サバイバル系のひみつ道具は他にも登場します。ま水ストローは海水を真水に変えられる道具で、コンクフードとともに太平洋横断計画に携帯された頼れる相棒です。エラチューブは海中でも呼吸できるようにする道具で、海底という過酷な環境を生き延びるために欠かせない道具です。音楽イモは食べると体に変化が起きるという食べ物系の道具として共通します。生きるための道具という観点では寝ぶくろのように環境に適応する力を与える道具も重要な存在です。

太平洋横断という壮大な計画

コンクフードが登場するエピソード「海底ハイキング」は、夏休みを利用して太平洋を徒歩で横断するという前代未聞の計画が舞台です。ドラミちゃんも加わりながら、複数のひみつ道具を駆使して海底を進むという設定は、ドラえもんの短編の中でも特にスケールの大きい冒険です。コンクフードはその計画に欠かせない食料として位置づけられており、長期行動を支える縁の下の力持ちとして登場しています。

現代の宇宙食や登山用非常食が「軽くて長持ちすること」を最優先に開発されているように、コンクフードも「コンパクトに多くの食事を収める」という同じ課題に応えた道具です。1缶30食分という数字はまさに長期探索に最適な設計であり、藤子・F・不二雄先生が未来の食料技術について具体的に考えていたことが伝わります。

半練り状という独特の形状

コンクフードの半練り状という形状は、現代のゼリー飲料やスムージーに近いものとして想像できます。液体と固体の中間にあるこの状態は、飲み込みやすく消化も早いという利点があります。一方でご飯やハンバーグが半練り状というのは、食べる喜びという観点では物足りなさもあります。

しかし藤子先生が描いたコミックの中でのびたが笑顔で食べているシーンを見ると、味については全く問題なさそうです。未来の食品技術では、半練り状でも本来の食感を口の中で再現する技術が確立されているのかもしれません。食感を再現するカプセル技術や食感素材の研究は現代でも進んでおり、コンクフードが描いた未来は案外近いところにあるかもしれません。

30食分のコンパクトさが革命的

コンクフードで特筆すべきは1缶に30食分が収まるという圧縮率です。現代の一般的な非常食で1食あたりの重量が約100〜200グラムであることを考えると、30食分は3〜6キログラムになります。それが缶1つに収まるとなれば、その圧縮技術は驚異的です。登山や宇宙探査、長期航海など、重量と体積の制限が厳しい場面では特に革命的な道具となります。のびたが海底を気軽にハイキングできたのも、この軽量・コンパクトな食料があってこそでした。ハンバーグやスープなど食品別に缶が分かれているというバリエーションの多さも、長期行動中に食事の選択肢を持てるという意味で重要な設計です。

このひみつ道具が印象に残る理由

このひみつ道具の面白さは、ただ便利なだけではなく、使った瞬間に日常の見え方が少し変わるところにあります。ドラえもんの道具は、困りごとを一発で解決してくれるように見えて、実際には使う人の性格や判断がそのまま結果に出ます。のび太が使えば楽をしたい気持ちが前に出ますし、ドラえもんが使えば助けるための道具になります。同じ道具でも、誰がどんな目的で使うかによって印象が変わるのです。

また、名前や見た目が身近であるほど、効果とのギャップが強くなります。普通ならありえないことが、手の届きそうな形の道具で実現してしまう。そこに読者が「自分ならどう使うだろう」と想像したくなる余白があります。物語の中での出番が短くても、発想がはっきりしている道具は記憶に残りやすいですね。

日常で使うなら注意したいこと

もし現実にこの道具を使えるなら、まず考えたいのは周囲への影響です。自分にとって便利でも、家族や友達、近くにいる人に迷惑がかかるなら正しい使い方とはいえません。ドラえもんのエピソードでは、最初は小さな願いから始まった使い方が、だんだん大きな騒動に広がることがよくあります。便利さに気を取られるほど、基本的な確認を忘れてしまうのです。

効果の範囲、持続時間、元に戻す方法、失敗した時の対処。これらを分からないまま使うと、どんなに魅力的な道具でも危険になります。ひみつ道具は夢をかなえるアイテムである一方、使う人に責任を求めるアイテムでもあります。そこまで含めて考えると、単なる便利グッズではなく、未来の技術との付き合い方を教えてくれる存在だといえるでしょう。

読者が想像を広げやすい道具

作中で描かれた使い方は、この道具の可能性の一部にすぎません。学校で使ったらどうなるか、家で使ったらどうなるか、旅行や災害時に役立つのか、逆にどんなトラブルが起きるのか。そう考えていくと、短い登場シーンだけでは見えなかった魅力が広がります。

ドラえもんのひみつ道具紹介の楽しさは、性能を確認するだけでなく、その先の使い道を読者自身が想像できるところにあります。この道具も、便利さ、危うさ、ユーモアが同時に詰まっているからこそ、もっと深く考えたくなる一品です。

おすすめの記事