ウラシマキャンデー

誰かに親切にすると必ず恩返しをしてもらえる「ウラシマキャンデー」。浦島太郎の玉手箱のようなケースに入ったキャンデーを1粒舐めて誰かに親切にすると、必ず恩返しをしてもらえるという効果があります。

本編での使われ方

優しくて人のいいのびたは、いつもみんなから用事を押し付けられてしまいます。みんなのために何かしてあげても、ありがとうすら言われない事を嘆くのびたを見かねたドラミちゃんが出してくれたのが「ウラシマキャンデー」でした。浦島太郎の玉手箱のようなケースに入ったキャンデーで、1粒舐めて誰かに親切にすると、必ず恩返しをしてもらえるというキャンデーです。ある中年女性がうっかり落としそうになった荷物を受け止めたのびた。

効果な瓶を守るのびた
ナイスキャッチだが、人としてそれでいいのか?

ドラえもん9巻「ウラシマキャンデー」P80:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

何でもその荷物の中身はとっても高価な瓶(かめ)らしく、盛大にお礼をしたいと自宅に招かれるのびた。そこでは夢のような時間が流れますが、帰ろうとしても帰してくれないところや、家でママがカンカンになって怒っている(=よくないことが起ころうとしている)ことなど、浦島太郎に似たストーリーが展開されるのでした。

効き目が強すぎるのが難点

効果な瓶(かめ)を守ってくれたのびたにお礼をしたい女性の気持ちもわかりますが、ウラシマキャンデーはちょっと効き目が強すぎる気もします。感謝の気持ちを伝えたいがために、のびたにどんどん食事を持ってきたり、帰ろうとするのびたを家に引き止めるために靴を隠そうとしたり、ウラシマキャンデーを使ったのびた本人でさえ「効き目が強すぎる」とグチをこぼしているのです。

ウラシマキャンデーの恐ろしい効き目
発想が恐ろしい親子

ドラえもん9巻「ウラシマキャンデー」P84:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

ウラシマキャンデーを使いすぎると、今度は逆に自分が大変になりそうですね。

人間以外にもお礼をされる

強い効き目を発揮するウラシマキャンデーの効果は、人間以外のものからもお礼をされます。犬や猫からのお礼は勿論、何とゴキブリホイホイから逃がしたゴキブリからもお礼をされます。帰りが遅くなったのびたを怒ったママが家で待ち構えていましたが、そこに登場したのはゴキブリ。逃してくれたお礼にゴキブリが登場し、ゴキブリが苦手なはずのドラミちゃんがあまり怖がっていないのはご愛敬。

ゴキブリが苦手なはずのドラミちゃん
いくらなんでもゴキブリはちょっと無理かも・・・

ドラえもん9巻「ウラシマキャンデー」P86:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄

もしも現実に存在していたら

人の情が失われているといわれるこの世の中で、道具の力を借りるとはいえ、いい事をして人から感謝されるというのは、別段悪い事ではないと思います。とはいっても、やはり道具の力でお礼を言わされているだけかと思うと、多少寂しくもなりますが、それでもお礼や感謝の念を持ってくれるのはやはりうれしいですからね。逆に何をされても恩を感じないでいるような図々しい人に思い切ってお礼をさせる効果もありそうなので、そういった人への ちょっとした仕返しも出来そうですね。しかしウラシマキャンデーの効果の強弱は付けられないので、お礼のレベルが行き過ぎてしまう事もあるので、その辺りは注意が必要になりそうですが。

似た道具

コミック35巻に登場した「動物変身恩返しグスリ」がウラシマキャンデーに似た道具として挙げられます。これは鶴の恩返しがモチーフになっていて、助けてあげた動物に使うと、後から人間の女の子の姿でお礼をしにやってきます。

食べ物・飲み物系のひみつ道具は他にも豊富にそろっています。おすそわけガムは食事の味を他者と共有できる道具で、食べ物を通じて他者との関係が生まれるという点でウラシマキャンデーと共通します。ようろうおつまみは食べてから水を飲むとお酒に変わる道具で、昔話をモチーフにしている点でウラシマキャンデーと発想が似ています。チューイングピザは携帯できるタブレット型の食事道具で、食べ物の新しい形という点で共通します。味のもとのもとは何にでもふりかけるだけで食欲を引き出す道具で、食べることに関わる道具として同じカテゴリーに属します。またすて犬ダンゴも動物との関係性に作用する食べ物の道具で、人と動物の絆という観点でウラシマキャンデーに通じる部分があります。

このひみつ道具が印象に残る理由

このひみつ道具の面白さは、ただ便利なだけではなく、使った瞬間に日常の見え方が少し変わるところにあります。ドラえもんの道具は、困りごとを一発で解決してくれるように見えて、実際には使う人の性格や判断がそのまま結果に出ます。のび太が使えば楽をしたい気持ちが前に出ますし、ドラえもんが使えば助けるための道具になります。同じ道具でも、誰がどんな目的で使うかによって印象が変わるのです。

また、名前や見た目が身近であるほど、効果とのギャップが強くなります。普通ならありえないことが、手の届きそうな形の道具で実現してしまう。そこに読者が「自分ならどう使うだろう」と想像したくなる余白があります。物語の中での出番が短くても、発想がはっきりしている道具は記憶に残りやすいですね。

日常で使うなら注意したいこと

もし現実にこの道具を使えるなら、まず考えたいのは周囲への影響です。自分にとって便利でも、家族や友達、近くにいる人に迷惑がかかるなら正しい使い方とはいえません。ドラえもんのエピソードでは、最初は小さな願いから始まった使い方が、だんだん大きな騒動に広がることがよくあります。便利さに気を取られるほど、基本的な確認を忘れてしまうのです。

効果の範囲、持続時間、元に戻す方法、失敗した時の対処。これらを分からないまま使うと、どんなに魅力的な道具でも危険になります。ひみつ道具は夢をかなえるアイテムである一方、使う人に責任を求めるアイテムでもあります。そこまで含めて考えると、単なる便利グッズではなく、未来の技術との付き合い方を教えてくれる存在だといえるでしょう。

読者が想像を広げやすい道具

作中で描かれた使い方は、この道具の可能性の一部にすぎません。学校で使ったらどうなるか、家で使ったらどうなるか、旅行や災害時に役立つのか、逆にどんなトラブルが起きるのか。そう考えていくと、短い登場シーンだけでは見えなかった魅力が広がります。

ドラえもんのひみつ道具紹介の楽しさは、性能を確認するだけでなく、その先の使い道を読者自身が想像できるところにあります。この道具も、便利さ、危うさ、ユーモアが同時に詰まっているからこそ、もっと深く考えたくなる一品です。

もう一歩踏み込んで考える

この道具を本当に使うなら、最初に小さな目的から試すのがよさそうです。いきなり大きな問題を解決しようとすると、効果の予想が外れた時に被害も大きくなります。まずは安全な場所で、短い時間だけ使い、どこまで思い通りになるのかを確かめる。未来の道具であっても、慎重な試運転は欠かせません。

そして、道具に頼りすぎないことも大切です。ひみつ道具はきっかけを作ってくれますが、最後にどう行動するかは使う人しだいです。のび太が失敗してもどこか憎めないのは、道具に振り回されながらも、そこに人間らしい弱さや願いが見えるからでしょう。

もう少し具体的に使い道を考える

この道具を日常で活かすなら、遊びだけでなく、困っている人を助ける方向で使うのが一番よさそうです。ドラえもんのひみつ道具は、のび太のわがままから騒動になることも多いですが、本来は誰かの不便や不安を軽くするための未来技術です。使い方を少し変えるだけで、いたずら道具にも救助道具にもなります。

たとえば学校なら授業や自由研究の題材に、家庭なら家事や片付けの補助に、屋外なら移動や安全確保に応用できるかもしれません。作中ではギャグとして描かれている場面でも、効果を冷静に見れば現実的なヒントが隠れています。

使う人の性格が出る

同じひみつ道具でも、ドラえもんが使う時とのび太が使う時では結果が大きく変わります。ドラえもんは問題解決のために使おうとしますが、のび太は楽をしたい、見返したい、得をしたいという気持ちから使いがちです。その人間らしさがあるから、道具の紹介だけでなく物語として面白くなります。

この道具も、性能だけ見れば便利ですが、実際に使えば必ず人の欲や判断が絡みます。だからこそ、単なる未来の便利グッズではなく、読者が自分ならどうするかを考えたくなるひみつ道具になっているのです。

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