撮影した建物を背景や生物を除いて、建物の素材・家財や建物内の造作・販売している商品の詳細も含めてそのまま立体現像してしまうひみつ道具がポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラです。撮影するだけで精巧なミニチュアが手に入るという発想は、模型好きならよだれが出るほど魅力的です。
全ては遊び場のために
屋外でのスケート遊びは道幅が狭く危険なため、室内でローラースケートをしてママに怒られるのび太とドラえもん。
しずかちゃんは自宅でお茶会があり締め出され、ジャイアン・スネ夫は空き地が工事の資材置き場となり、当分好きな野球の利用ができない状態に。遊ぶ場所を次々と失った子どもたちが、新しい遊び場を作るためにこの道具を活用するという展開は、子どもらしい問題解決の発想が詰まっています。
遊び場問題にはいつも悩まされる ドラえもん3巻「夢の町、ノビタランド」P126:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
そんな時、いつものようにのび太からの要望でドラえもんが取り出したひみつ道具が「ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ」です。
生物・背景の景色を除き、撮影した建物を、素材(ガラス・壁・屋根)や中の造作・お店の商品に至るまで忠実に現像してしまう破天荒なひみつ道具です。
映画館、本屋、ケーキ屋などから、のび太の自宅庭に街を忠実に再現し、友達を招待し、ノビタランドとしてみんなで一緒に楽しむことになりました。
リアルな再現性におどろき
ミニチュアとはいえ、素材はおろかお店で販売している本やケーキ(食べられます)まで何でも手に入ってしまいます。
プラモデルでどら焼きでも何でも手に入ってしまいます。建物の中にある商品まで再現されるということは、撮影した瞬間の店内の状態がそのままミニチュアになるということです。限定品の商品が陳列されている時に撮影すれば、ミニチュアとはいえその商品が手に入るかもしれません。
なんともうらやましい状況 ドラえもん3巻「夢の町、ノビタランド」P129:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ところが、どれもミニチュアのため、役に立つのかどうか疑問に思うかもしれません。
でもそこは大丈夫。
ひみつ道具ガリバートンネルを使って自分たちをミニチュア化することで、ミニチュアの街を原寸大として利用することが可能になります。
小さくなる道具としてはスモールライトも使えますが、ガリバートンネルは人間側を小さくすることでミニチュアの街にそのまま入り込めるのが便利です。自分を小さくしてミニチュアの世界で生活するというのは、模型の世界に実際に入れるような夢のある体験です。
実現の可能性は低いかも
現実社会での実現可能性としては非常にハードルが高く、夢ふくらむ道具の1つと言えるでしょう
あえて比較すると、現在、3Dプリンターなどの技術革新は目覚ましいものがあります。
しかし、あらゆる構造・建築物はそれぞれ木材・ガラス、強化プラスチックなどの素材の組み合わせで出来上がっているため、撮影→現像→完成品とはいきません。
今回紹介したひみつ道具「ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ」では、その点をクリアしていますが、実社会での実現には多くの課題が残っています。
現時点での技術で再現するのは、かなりハードルが高く、まず実現は不可能としか言いようがあります。素粒子・量子力学レベルでの更なる発見により、数百年後の未来での実現を楽しみに待ちたいですね。
別のひみつ道具と一緒に使えば効果ぜつだい
コミックの中でもあるように、「ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ」単体では、実に忠実・精巧なジオラマの世界を実現するのみです。
でもそこに「ガリバートンネル」が加わるだけで、一気に夢のような世界が広がるんです。
省エネ世界の幕開け ドラえもん3巻「夢の町、ノビタランド」P129:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
小さい街を作り、自分が好きな配置に設定し、ガリバートンネルで小さくなってエコな生活をする。これってまさに、未来の世界の在り方なのかもしれませんね。エネルギー消費も最小限で、必要なものはミニチュアの街の中で揃えられる、コンパクトな理想の暮らしが実現します。
カメラを使ってこんな事を考えてみた
ところで、生物は除いて撮影→現像が可能という法則を踏まえ、悪魔の利用方法を思いつきました。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが・・・そう、ドラえもんを撮影するのはどうでしょうか。
ドラえもんを撮影し、ガリバートンネルの小さい入口から大きい出口へと通過してもらうと、原寸大のドラえもんが完成します。
当然精巧に再現されているでよ、ドラえもんの機能も失われていないと考えられるため、ドラえもんのクローンが精確に出来上がるはずです。
ただし、この様な使い方はドラえもんファンには野暮であり、どこまでいってもドラえもんはドラえもんであるべきですよね。
ノビタランドという夢の実現
ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラで作られたノビタランドは、子どもたちが自分たちで自由に使える自分たちだけの街です。好きな店だけを集めて、好きなレイアウトで配置できるという点では、夢の街づくりそのものです。
大人になっても「自分だけの理想の街を作りたい」という気持ちは消えないものですが、この道具があればそれが現実になります。模型やジオラマ制作を趣味とする人なら特にその魅力を理解できるでしょう。ただし本物そっくりに動くミニチュアができるという点では、通常の模型とは次元が違います。
コミック3巻「夢の町、ノビタランド」でその活躍をぜひ確認してみてください。遠くない未来での実現が楽しみですね。
ノビタランドが示す都市の未来
ノビタランドは子どもたちが自分たちの思い通りに設計した街です。好きなお店だけを選び、好きなレイアウトで配置し、無駄なものは一切置かない。これは都市計画の理想形とも言えます。
現実の都市は歴史的な経緯や様々な利害関係が絡み合い、必ずしも住民が望む形にはなりません。しかしポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラがあれば、自分が理想とする街を現実に作り出せます。
そしてガリバートンネルで小さくなってその街に入れば、本当の意味で自分だけの理想都市を体験できます。都市工学やまちづくりに興味のある人にとっては、この道具の活用は非常に刺激的な思考実験になるでしょう。将来の都市設計者がドラえもんのこのエピソードから着想を得る日が来るかもしれません。ノビタランドで子どもたちが自分たちで街のレイアウトを決め、好きな店を集めて遊ぶ姿は、都市計画のプロセスを子どもレベルで体験していることと重なります。自分で街を作る体験は、空間への理解を育て、将来の創造的な思考の基礎になるかもしれません。
撮影という行為が持つ新たな意味
ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラがあれば、写真を撮ることの意味が根本的に変わります。思い出を残すためだけでなく、必要なものを手に入れるための行為として写真撮影が機能します。
現代のスマートフォンで商品の写真を撮れば、次回の購入時の参考になります。しかしこの道具があれば、撮った写真から直接商品のミニチュアが手に入ります。撮影と入手が同時に完結するという体験は、消費行動の未来形とも言えます。
また、この道具で作ったミニチュアの街で、ガリバートンネルで小さくなって生活するというライフスタイルは、省エネルギーで環境負荷の少ない未来の暮らしの一形態かもしれません。大きな家に住んで多くのエネルギーを消費するよりも、ミニチュアの街で効率的に暮らす方が持続可能な社会に近いとも考えられます。コミック3巻でその活躍をぜひ確認してみてください。





