「はいどうたづな」を付けると、例えそれが犬でもネコでもロボットでも馬と同じ性能・馬力になり、自由に乗ることができます。上手に乗りこなせばどこでも乗馬訓練ができるのと同じです。
馬に乗れるようになりたいのびたが、ドラえもんに頼んで出してもらったひみつ道具がはいどうたづなです。乗れる馬がいないのびたですが、この道具があれば動物の体の大きさに関係なく馬と同じ性能を持つようになり、上に乗ることもできます。
自転車よりも馬
運動神経が鈍く、どうしても自転車に乗ることができないのびた。のびたの理屈では、自転車はタイヤが前後2本しかないからバランスが悪いが、馬は4本足だから絶対に乗りこなせるというのです。
もっともらしい理屈ですが、馬は動物だということをすっかり忘れているようですね。さすがに本物の馬はいないので、ドラえもんが取り出したのが「はいどうたづな」でした。
このたづなを付けた動物は、体の大きさに関係なく馬と同じ性能を持つようになり、上に乗ることもできます。
ネコにしては大きくないだろうか? ドラえもん12巻「はいどうたづな」P140:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
試しにネコや犬で試してみたところやっぱりのびたは上手に乗りこなすことができず、しずかちゃんの飼い犬ペロにさえ手を出してしまう始末。どれもしっくり来ず、最終的には絶対に安全なドラえもんにはいどうたづなを付けて乗馬を楽しむという、のびたらしい結末を迎えるのでした。
乗られている側はどういう気分だろう・・・ ドラえもん12巻「はいどうたづな」P143:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
ハイブリッドの動物を生み出す
はいどうたづなのすごいところは、
- ベースとなる動物の能力
- 馬の能力
が合体することです。
例えばネコにはいどうたづなを付けると、ネコのように軽やかに高いところに登る能力を残したまま、馬のように乗りこなすことができます。
ネコといえど、真横に貼り付くのはさすがに無理があるか? ドラえもん12巻「はいどうたづな」P140:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄
鳥+はいどうたづな
ハトやスズメなど、鳥にはいどうたづなを付けると空も飛べるし陸も歩ける万能型の動物になります。
魚+はいどうたづな
魚とはいどうたづなの組み合わせもありますが、魚に乗って水の中を進む場合は「エラチューブ」などで呼吸対策しておく必要があります。エラチューブと組み合わせることで、水中乗馬というユニークな移動手段が生まれるでしょう。
負担が大きいかも
古来より馬はその巨体と力を活かし、人々の生活に溶け込んでいました。馬と同等の力が得られるとしても、はいどうたづなを取り付けられた動物の体には相当な負担がかかっていると思われます。
犬やネコのように人よりも体が小さい動物の場合、人間を乗せること自体が初めてのため、はいどうたづなを取り外した後の疲労度が大変なことになるでしょう。便利だからといって人間の都合だけでいどうたづなを使っていると、いつか動物虐待として声があがるかもしれませんね。
快速シューズが人間自身の移動速度を上げる道具であるのに対して、はいどうたづなは動物を移動手段として活用する異なるアプローチです。タケコプターのように空中を移動できる道具と比べると、はいどうたづなは地上での移動に特化した点で棲み分けができています。モモボートのような水上移動と組み合わせて使うと、より広範囲な移動が可能になるでしょう。
のびたがドラえもんを選んだ理由
ネコや犬、しずかちゃんのペロと試してもしっくりこなかったのびたが最終的に選んだのはドラえもんでした。動物でもなく人間でもない、ロボットという存在を「乗り物」にしてしまうのはのびたらしい発想ですが、はいどうたづなの仕様上ロボットにも効果が出るのかどうかは疑問です。コミックではドラえもんが馬のように四つ足で歩いてのびたを乗せているシーンが描かれており、はいどうたづなの効果範囲の広さが笑いとともに示されています。もっとも乗られているドラえもんの表情はどことなく不満げで、「使われている」側の気持ちを代弁しているようでもありました。
ドラえもん世界の「乗り物」ひみつ道具と比べて
ドラえもんには移動を助けるひみつ道具が数多く登場しますが、はいどうたづなは乗り物そのものではなく「乗り物を作り出す道具」という点でユニークです。タケコプターのように使う本人が直接飛ぶのでも、快速シューズのように走力を高めるのでもなく、そこにいる動物に装着することで初めて機能します。つまり道具と生き物の組み合わせで成り立つ「共同作業型」のひみつ道具と言えます。
また、はいどうたづなは目的の動物を見つけてたづなを付けるというひと手間が必要なため、緊急時には不向きかもしれません。でも逆に言えば、たづなを外せばすぐに元の動物に戻るため、使い終わった後に後処理が要らないという手軽さもあります。空とぶワッペンのように貼るだけで効果が出るタイプの道具と共通する手軽さです。
動物との関係性を考えさせられる道具
はいどうたづなを使う前提として、乗れる動物がそこにいなければなりません。のびたはしずかちゃんの犬ペロを勝手に使おうとして怒られかけています。自分のペットでもない動物を移動手段として使うことへの倫理的な問題は、現代の感覚で見るとなかなかシビアです。
動物に「乗る」という行為は人類の歴史とともに発展してきましたが、動物福祉の観点から見直しが進んでいる現代では、はいどうたづなのような道具が実際に存在した場合、使用ルールを巡って議論になりそうです。ペットそっくりまんじゅうのようにペットとの関係性に影響を与える道具が複数存在するドラえもんの世界では、人間と動物の関係がどうあるべきかというテーマが繰り返し登場していることに気づかされます。
鳥に付ければ空飛ぶ乗り物になる
コミックの中では主に陸の動物への使用が中心でしたが、「鳥+はいどうたづな」という組み合わせは実は大きな可能性を秘めています。ハトやカモメのような鳥にはいどうたづなを付ければ、飛行能力はそのままに馬並みの力強さを持つ空飛ぶ乗り物が誕生します。タケコプターのように自分の力で飛ぶのではなく、鳥の翼の力を借りて大空を移動できるというロマンがあります。自転車にすら乗れないのびたが、鳥に乗って大空を飛び回る姿は、ちょっと想像するだけでワクワクしませんか。
さらに大きな鳥であれば複数人での飛行も夢ではないかもしれません。ドラえもんの世界には空飛ぶふろしきのように人や物を包んで飛ぶ道具もありますが、はいどうたづなの「生き物の力を借りる」というアプローチは他の飛行系ひみつ道具とは異なる独特の世界観を持っています。自然の力を活用するという意味では、未来の技術が進んでも廃れない発想かもしれません。
このひみつ道具が印象に残る理由
このひみつ道具の面白さは、ただ便利なだけではなく、使った瞬間に日常の見え方が少し変わるところにあります。ドラえもんの道具は、困りごとを一発で解決してくれるように見えて、実際には使う人の性格や判断がそのまま結果に出ます。のび太が使えば楽をしたい気持ちが前に出ますし、ドラえもんが使えば助けるための道具になります。同じ道具でも、誰がどんな目的で使うかによって印象が変わるのです。
また、名前や見た目が身近であるほど、効果とのギャップが強くなります。普通ならありえないことが、手の届きそうな形の道具で実現してしまう。そこに読者が「自分ならどう使うだろう」と想像したくなる余白があります。物語の中での出番が短くても、発想がはっきりしている道具は記憶に残りやすいですね。
日常で使うなら注意したいこと
もし現実にこの道具を使えるなら、まず考えたいのは周囲への影響です。自分にとって便利でも、家族や友達、近くにいる人に迷惑がかかるなら正しい使い方とはいえません。ドラえもんのエピソードでは、最初は小さな願いから始まった使い方が、だんだん大きな騒動に広がることがよくあります。便利さに気を取られるほど、基本的な確認を忘れてしまうのです。
効果の範囲、持続時間、元に戻す方法、失敗した時の対処。これらを分からないまま使うと、どんなに魅力的な道具でも危険になります。ひみつ道具は夢をかなえるアイテムである一方、使う人に責任を求めるアイテムでもあります。そこまで含めて考えると、単なる便利グッズではなく、未来の技術との付き合い方を教えてくれる存在だといえるでしょう。
読者が想像を広げやすい道具
作中で描かれた使い方は、この道具の可能性の一部にすぎません。学校で使ったらどうなるか、家で使ったらどうなるか、旅行や災害時に役立つのか、逆にどんなトラブルが起きるのか。そう考えていくと、短い登場シーンだけでは見えなかった魅力が広がります。
ドラえもんのひみつ道具紹介の楽しさは、性能を確認するだけでなく、その先の使い道を読者自身が想像できるところにあります。この道具も、便利さ、危うさ、ユーモアが同時に詰まっているからこそ、もっと深く考えたくなる一品です。





