スーパー手ぶくろ

『スーパー手ぶくろ』は、手につけるだけで重たいものを軽々と持ち上げられるひみつ道具です。大岩や巨木のような本来なら子どもが動かせないものまで扱えるため、単純ながらかなり強力な肉体強化アイテムです。

体の何倍もあるような大岩でさえ、まるで発泡スチロールを持ち上げるかのごとくヒョイッと動かせるのが特徴です。

のび太の先祖を助けるために

スーパーてぶくろは、のび太の先祖であるのび作を立派な先祖にしようと、『タケコプター』『とうめいマント』と一緒に使われました。

関連ひみつ道具
関連ひみつ道具

ひみつ道具の力を使って戦で先祖に活躍してもらい、野比家には立派なご先祖様がいるんだぞ、ということを自慢したいがための取り組みです。

これは歴史改変の行為にあたるので、本来であれば禁止されるべきことなんですが、細かいことは気にしない。それがドラえもんの世界です。

この話でスーパー手ぶくろが面白いのは、本人の勇気や鍛錬ではなく、道具によって急に英雄らしく見えてしまうところです。のび作の能力が上がったというより、道具が見た目の活躍を作っています。先祖を立派に見せたいというのび太の願望と、歴史へ手を入れる危うさが同時に出ています。

何倍の重さまで耐えられる?

スーパーてぶくろを使い、のび太は100kgから200kgはあろうかと思われる巨大な木を振り回します。

のび太の先祖のび作もまた、100kgから200kgはあると思われる大岩を持ち上げてイノシシ狩りをしています。

彼らの表情を見ると、スーパーてぶくろを使っている時に重たそうな様子は一切見られません。

のび太にいたっては巨木をブンブン振り回すほどの力が出ていて、視線は上下ばらばら、自分のあまりの怪力ぶりに恍惚としている様子が見て取れます。

ひみつ道具のスーパーてぶくろ
のび太の目がウツロな状態が地味に怖い

ドラえもん1巻「ご先祖さまがんばれ」P109:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄著

スーパーてぶくろで持ち上げられる重さの限界は紹介されていませんが、まだまだ重たいものでもいける気がしますね。

ただ、持ち上げる力があることと、安全に扱えることは別問題です。重い物を軽く感じても、振り回した物が周囲へ当たれば大事故になります。のび太が巨木を扱えるようになる場面は痛快ですが、身体能力だけが急に増える怖さもあります。

手先だけで十分なのか?

スーパーてぶくろはその名のとおり、手袋の形をしたひみつ道具です。

でも手首から先を覆っただけで、これだけの怪力が出せるものなんでしょうか?

少なくとも肩から手すべてを覆うような器具じゃないと、筋肉に作用して十分な力が発揮できないようにも思えます。

しかし、そこは二十二世紀のドラえもん。

今の我々では理解できないような複雑な科学技術のおかげで怪力を実現しているんでしょう。

手袋だけで全身の力を支えられるなら、力の増幅だけでなく、体への負担を逃がす仕組みも入っているはずです。腕だけが強くなっても腰や足が耐えられなければ、持ち上げた瞬間に体を痛めます。スーパー手ぶくろは、見た目以上に全身を補助している道具と考えたほうが自然です。

何度も登場するスーパーてぶくろ

スーパーてぶくろはドラえもんシリーズの中で何度も登場します。

肉体を強化するひみつ道具なので、主に大長編で活躍するシーンがあります。

女の子が使っても同様に怪力を発揮することができるため、しずかちゃんがスーパーてぶくろを使って大活躍することも珍しくありません。

使う人を選ばない点は、スーパー手ぶくろの大きな特徴です。体格や筋力に関係なく、身につけた人が重い物を扱えるようになります。これは便利ですが、同時に危険でもあります。力の扱いに慣れていない人でも急に大きな力を持てるため、加減を間違える可能性があるからです。

肉体強化系の道具としては、『ガッチリグローブ』や『かるがる手袋』とも比べたくなります。手に装着する道具は効果が直感的で、読者にも使い方がすぐ伝わります。スーパー手ぶくろはその中でも、怪力というわかりやすい方向へ特化しています。

突然故障すると恐ろしいことに

重たいものを持ち上げている時、もしスーパーてぶくろが故障してしまうと大変なことになります。

重さを支えきれなくなって自分が怪我をするだけならまだしも、誰かの上に落下しようものなら目も当てられないひどい事故につながります。

幸いにもドラえもんシリーズを通してスーパーてぶくろが故障したり、途中で機能がストップしてしまう場面は描かれていません。

そういえばスーパーてぶくろの動力って何なんでしょうか?薄型・高性能のバッテリーでも内蔵されているんでしょうか?

いずれにしても、スーパーてぶくろを使う時には定期的なメンテナンスが必要になりそうです。

さらに、持ち上げた後の置き方も重要です。怪力で大岩を持てても、地面へ乱暴に置けば周囲が壊れます。力を出す道具には、力を止める技術も必要です。スーパー手ぶくろは派手な活躍が目立ちますが、実際には制御のほうが難しい道具です。

現実にあった場合の使い道

現実にスーパー手ぶくろがあれば、災害救助や工事現場、介護、引っ越しなどで役立ちます。重いがれきをどかす、機械を動かす、持ち上げにくい家具を運ぶなど、力仕事の負担を大きく減らせます。

一方で、日常で誰でも自由に使えると危険です。重い物を投げたり、建物や車を壊したりすることもできるため、扱うには免許や安全装置が必要になります。のび太が軽い気持ちで使える道具として見ると楽しいですが、現実に近づけるほど管理が欠かせません。

スーパー手ぶくろの魅力は、弱い人でも一瞬で力持ちになれるところです。のび太のような運動が苦手な子でも、大きな物を動かせる。そのわかりやすい逆転感が、初期ドラえもんらしい楽しさにつながっています。

道具としての怖さ

スーパー手ぶくろは、見た目が手袋なので危険物に見えません。そこがこの道具の怖いところです。剣や銃なら周囲も警戒しますが、手袋だけなら普通の持ち物に見えます。にもかかわらず、実際には巨木や大岩を動かすほどの力を出せます。

力が大きくなると、使用者の性格も結果に影響します。慎重な人なら救助や作業に使えますが、調子に乗る人が使えば周囲を壊しかねません。のび太が巨木を振り回す場面には、楽しいだけでなく、力に酔ってしまう危うさもあります。

また、相手に貸す時の問題もあります。スーパー手ぶくろは装着した人がすぐ強くなるため、奪われたり悪用されたりすると止めにくいです。ドラえもんの道具としては単純な部類ですが、管理面ではかなり注意が必要です。

ドラえもんらしい逆転の道具

この道具は、のび太の弱点を一瞬で裏返すタイプのひみつ道具です。力がない、運動が苦手、頼りない。そうしたのび太の印象が、手袋ひとつで怪力へ変わります。

ただし、能力だけが増えても人間そのものが成長したわけではありません。歴史を変えたいという目的も、力を得て調子に乗る態度も、のび太らしい危うさを残しています。スーパー手ぶくろは、便利さと未熟さが同時に出る道具です。

だからこそ、単なる力持ちアイテムで終わりません。道具が強いほど、使う人の判断が目立ちます。ドラえもんの世界では、未来の技術が問題を解決するだけでなく、別の困りごとを生むところが面白いです。

のび作を助ける場面でも、力そのものより使い方の雑さが笑いにつながっています。

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